本研究は、動きの錯視の表現効果を公共空間へ活用することを目的とした理論および制作の両側面からの研究である。錯視は凝視することで、その効果を確認することができる。そのため、本研究の目的の一つである遠距離サインに活用するには、見る側が運転者ではなく電車等の乗客を対象にしなければならない。この研究結果の基づき、走行速度(時速90km前後)、視点距離(30~50m)が最も効果的な適正値であることが確認できた。一方、もう一つの研究テーマ「見て触って楽しむストリートアート」に向けた制作研究では、横幅7mの大作「Motion-illusion09・R&B・01」を発表し、公共空間における表現効果の検証においてビジュアルコミュニケーションとしての新たなツールの確認ができた。
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