研究課題/領域番号 |
20520153
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸宏 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70148724)
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研究分担者 |
山崎 義光 大阪府立工業高等専門学校, 総合工学システム学科, 准教授 (10311044)
土屋 忍 武蔵野大学, 文学部, 准教授 (20302200)
野口 哲也 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 講師 (90533000)
森岡 卓司 山形大学, 人文学部, 准教授 (70369289)
畑中 健二 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (30334551)
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キーワード | 小品 / 文学史 / ジャンル / 散文 / 写生文 / 紀行文 / 散文詩 |
研究概要 |
本研究は、「小品」というジャンル未分化な散文テクストを対象として、その成立と展開とを歴史的な観点から明らかにし、この脱ジャンル的・越境的な領域の担う意義や可能性について多角的に考究することを目的としている。研究期間の最終年度にあたる今年度は、交付申請書に記載したとおり、これまで継続してきた書誌的研究を中心とする基礎的文献調査の整理を行い、また研究分担者がそれぞれに設定したテーマに即しての個別的な「小品」テクストの研究を推進した。それらの成果については、電子メールを利用して研究分担者相互の間で報告および検討が行われた。更に1月22日に開催した本共同研究の研究集会において、各自の研究成果の発表を行った。具体的には、『文章世界』『新小説』における「小品」掲載の動向の分析、夏目漱石や国木田独歩、吉江孤雁、北原白秋の「小品」の考察、大正から昭和期にかけての文壇における「小品」の位置の検討その他、多岐にわたる問題がとりあげられ、活発な議論をとおして、「小品」にかかわる多様なテーマについて理解を深める機会となった。もとより「小品」は未開拓の研究分野であるため、研究には様々の困難がつきまとったが、3年間研究を継続することをとおして、「小品」をめぐる問題の所在、その深さと広がりを明らかにしえたことが本研究の最大の意義であった。
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