研究課題/領域番号 |
20520159
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
弓削 繁 岐阜大学, 教育学部, 教授 (10127798)
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研究分担者 |
美濃部 重克 南山大学, 人文学部, 教授 (90065475)
小林 幸夫 東海学園大学, 人文学部, 教授 (50249299)
榊原 千鶴 名古屋大学, 文学研究科, 助教 (50313979)
小助川 元太 呉工業高等専門学校, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30353311)
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キーワード | 月庵酔醒記 / 一色直朝 / 注釈 / 中世文学 / 戦国末期 / 文化継承 |
研究概要 |
本研究は古河公方足利晴氏・義氏に仕えた一色直朝(月庵蘆雪)の手になる『月庵酔醒記』の注釈、典拠研究を通して、東国武将の文化継承の実態を解明し、室町末期における「知識」のありようを明らかにすることを目的としている。 本年度は、主に『月庵酔醒記』の中巻部、及び下巻部の一部について、研究代表者・研究分担者・研究協力者、計12名が、毎月1回、4時間、南山大学人文学部第1研究棟会議室に集まり、それぞれ担当箇所の研究報告を行い、それを全員で討議・検証するという形で研究を推し進めてきた。その結果、本文の正確な理解と、多様な分野に及ぶ典拠関係を広汎に解明することが出来た。また、例えば『かさぬ草子』(名古屋大学皇学館文庫本)など類似の資料を掘り起こすことも出来、次第にこの時代の文化継承の一端が明らかになってきた。 これらの成果は、2007年に刊行した中世の文学『月庵酔醒記(上)』(美濃部重克・服部幸造・弓削繁編、三弥井書店)を承けて、『月庵酔醒記(中)』(同2008年9月刊)として公開した。なお、次年度に下巻部の刊行、最終年度までに索引・研究編の刊行を予定している。 本研究が、その文化史的な視野の広さと深さにおいて、従来の注釈・典拠研究の次元を越えるものであることは、中巻部本文(原文)108頁に対して、補注188頁という圧倒的な詳しさによっても知られるはずである。
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