本年度は、漢文教材の全体的な比較と両国の教材の扱い方の相違を明らかにすることができた。同一教材の扱い方の違いについては、史伝「鴻門の会」、「廉頗と藺相如」を比較研究した。他に、日中両国の高等学校、中学国語の新しい指導要綱の方針と具体的な方策を比較するための資料として、中国の高等学校、中学国語の指導要綱(課程標準)の翻訳を完了した(研究成果報告書に収録予定)。 研究交流活動については、中国教育学会顧問張光瓔先生、中国教育学会教育体制研究分会副事務局長丁梁両氏の協力を得て、九月二十一日に、李・田・菊地一行が北京十一学校を訪問した。当日午前中、趙謙翔先生(北京十一学校顧問、漢文教育の第一人者)と研究交流集会(研究協力者菊地隆雄氏と対談を中心に展開)を開いた。同日午後、趙謙翔先生による「愛蓮説」(二コマ100分)の授業を見学し、その後若手教員を交えて座談会を開いた。(旅費執行)この交流活動への中国側の関心が高く、『中国多媒体教育学報』(中国教育部主管、北京:清華大学編集)から全交流日程にわたって同行取材を受けた。交流集会の成功を受けて、座談会、対談内容についての報道(文字、映像つき)は、急遽、平成22年12に発行する『中国多媒体教育学報』第6期に掲載することとなった。(研究成果報告書に収録予定)九月二十二日、一行は北京師範大学附属実験中学を訪問し、若手教員による古文の授業を見学した後、古文担当の先生方と座談会を開き、研究交流をしたほか、今後の研究交流についても意見交換を行った。(旅費執行) 代表者李長波、研究協力者田洪宝氏、研究協力者菊地隆雄氏は、中国滞在中資料収集をした。
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