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2008 年度 実績報告書

近世仏教説話集と寺院所蔵文献に関する研究-蓮体の著作と河内地蔵寺を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20520163
研究機関大阪大学

研究代表者

山崎 淳  大阪大学, 文学研究科, 招聘研究員 (20467517)

キーワード蓮体 / 地蔵寺 / 寺院所蔵文献 / 近世文学 / 説話集 / 仏教文学 / 経典講義(講経)
研究概要

1、中心としたのは、地蔵寺所蔵文献の調査である。原則として、箱番号の順に全蔵書の書誌を記録する悉皆調査を行った。この形では4箱分を調査済みだが、蓮体(及び師の浄厳)の著作が集中する2箱分、また、特に重要と判断した資料についても調査を進めた。古さや規模において突出しているわけではない同寺が、質・量とも充実した文献を所蔵していることが明らかになりつつある。
2、悉皆調査に合わせ、同寺所有の簡便な目録カード(昭和作成)に基づき、仮目録を作成した。その結果、所蔵文献のほぼ全体を見渡すことが可能となった。また、最終年度に公表予定の「地蔵寺所蔵文献目録」の大枠が整った。なお調査の過程で、前掲目録カードにはない文献も見出されており、同寺所蔵文献は、さらに数量を増すことが期待される。
3、調査の成果の一部は、平成20年度の説話文学会大会にて発表した。その他に2本の論考を公表した。それらの発表・論考では、まず、同寺所蔵文献に見える蓮体自筆の書き込みが、説話集に代表される蓮体の著作に取り込まれていることを明らかにした。また、それらの書き込み、及び経典講義(講経)に関する蓮体の自筆記録から、蓮体が閲覧した文献を特定し、蓮体の文献利用の様相が具体的に把握できることを明らかにした。僧侶の知識体系や活動の現場が、文学作品の成立と密接に関わることを跡付けできた点は、中世文学、近世文学といった時代による区分を超えた価値を有すると位置付けられる。
4、地蔵寺の他、大学図書館などの諸機関や、蓮体関係文献を所蔵する寺院の文献を調査した。特に蓮体の利用した同時代文献につては、諸本調査や翻刻作業を行い、現在論文化を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 『覚禅鈔』所引の『三宝感応要略録』について2009

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      科学研究費基盤研究(B)19320037 研究成果中間報告書(平成20年度)『真言密教寺院に伝わる典籍の学際的調査・研究一金剛寺本を中心に-』 (印刷中)

      ページ: 25-30

  • [雑誌論文] 蓮体所持本『沙石集』について-前稿の補足をかねて-2008

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      大阪大学古代中世文学研究会『詞林』 43

      ページ: 89-98

  • [雑誌論文] 『観音冥応集』の性格と研究と課題2008

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      大阪大学国語国文学会『語文』 90

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] 地蔵寺蔵「蓮体講経覚書」について2008

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 学会等名
      説話文学会
    • 発表場所
      熊本大学(仮題)
    • 年月日
      2008-06-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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