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2010 年度 実績報告書

近世仏教説話集と寺院所蔵文献に関する研究-蓮体の著作と河内地蔵寺を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20520163
研究機関日本大学

研究代表者

山崎 淳  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20467517)

キーワード日本近世文学 / 地蔵寺 / 蓮体 / 説話文学 / 仏教文学 / 経典講義 / 書き入れ / 寺院所蔵文献
研究概要

1、本研究の基本となるのは、地蔵寺所蔵文献の悉皆調査である。1~15箱がほぼ終了しており、それ以降の箱でも、箱全体ではないが調査の済んだものは多い。ただし、当初の予想を大きく上回る冊数と書き入れ、また新たに10箱分の存在が判明したため、現在調査が及んでいるのは全体の約3分の2程度になる。悉皆調査の結果は「地蔵寺所蔵文献目録」の形で作成を進めている。調査の済んだ資料については、目録への転記は完了した。
2、成果の一部として、3本の論考(1本は研究発表に基づく)を公表した。そのうちの2本は地蔵寺の文献を、1本は関係寺院の文献を対象とした(後者は次項で触れる)。前者においては、蓮体の仏教経典講義の内実、蓮体の著作の背後にある知識体系、及び文献そのものの読まれ方の一端を明らかにした。また、蓮体の所持本は、古代・中世・近世の仏教説話集の活用を鮮明に伝える貴重なサンプルであることも判明した。
3、関係寺院では、善通寺・温泉寺・金剛寺の文献を中心に調査した。特に金剛寺については、浄厳(及び弟子の蓮体)とのつながりがこれまでも確認されていたが、それ以降も関係のあったことが両寺の文献調査から明らかになりつつある。また、蓮体とは別に、金剛寺からは忠臣蔵の基となった赤穂事件の関係資料を見出し、その調査結果を公表した。これにより、従来は顧みられることが少なかった寺院所蔵の近世文献に、近世文芸との接点を見出せたことになる。この点は、仏教と文学との関わり方を考究する仏教文学への、新たな可能性の提示でもある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 蓮体経典講義断章-そこで何が語られたのか-2011

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      語文

      巻: 139 ページ: 1-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地蔵寺蔵『三宝感応要略録』の書き入れについて-蓮体が見たもの-2011

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      日本古典文学研究の新展開

      ページ: 415-438

  • [雑誌論文] 金剛寺蔵『集書』所収の赤穂事件関係資料「赤穂記飛書集」について一付翻刻2011

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 雑誌名

      科学研究費基盤研究(B)19320037 研究成果報告書(平成22年度)真言密教寺院に伝わる典籍の学際的調査・研究-金剛寺本を中心に-

      ページ: 157-165

  • [学会発表] 蓮体経典講義断章-そこで何が語られたのか-2010

    • 著者名/発表者名
      山崎淳
    • 学会等名
      日本大学国文学会
    • 発表場所
      日本大学文理学部(東京都)
    • 年月日
      2010-07-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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