• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

新資料による小牧近江研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520167
研究機関秋田県立大学

研究代表者

高橋 秀晴  秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (40310982)

キーワードプロレタリア文学 / 『種蒔く人』 / 小牧近江 / 金子洋文 / 今野賢三
研究概要

新規に寄託された小牧近江書簡中、特に重要なものを翻刻しその意義について考察した。小牧とフク夫婦の結婚前後の書簡には、生涯続いた夫婦愛の原点を見ることができる。また、雑誌『種蒔く人』同人の金子洋文、今野賢三を始め、鷲尾よし子、小幡谷政吉、石田玲水、むのたけじらからの書簡は、小牧が如何に生れ故郷である秋田県との繋がりを大切にしていたかを物語っている。一方、堀口大学からのフィリップ訳書の寄贈に対する礼状には「ゆくゆくは全集を御出版の由」とあって、小牧の(実現しなかった)構想の一端が窺える。他に、小樽で発行した雑誌『クラルテ』の創刊号を送ったことの確認と寄稿を依頼する内容の小林多喜二からの葉書、フランスの小説家ジョルジュ・シムノンを東京ペンクラブ大会に呼ぶために協力して欲しい旨が書かれている江戸川乱歩のエア・メール、「パリ燃ゆ」の執筆に小牧が協力していたことを証明する大仏次郎書簡等、文学史的に貴重な書簡を多数発見することができた。それらの新資料に基づき、拙論「小牧近江と環「日本海」-新規寄託資料の可能性を遠望しつつ-」(『社会文学』第29号)において、小牧がフランスからのリアルタイムな情報を踏まえた複眼的な世界観を持っていたことを論じた。また、日本比較文学会2008年度東北大会では、発想の自由さや人間的スケールの大きさといった小牧近江の独自性について報告した。更には、「小牧近江資料展I-小牧近江の文学とその生涯-」(あきた文学資料館特別展示、2008年9月20日〜12月21日)、「小牧近江資料展II-小牧近江を取り巻く人びと-」(あきた文学資料館特別展示、2009年1月20日〜4月19日)の監修に携わりつつ展示解説文を執筆、研究成果を一般に公開した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 小牧近江と環「日本海」-新規寄託資料の可能性を遠望しつつ-2009

    • 著者名/発表者名
      高橋秀晴
    • 雑誌名

      社会文学 第29号

      ページ: 117-126

    • 査読あり
  • [学会発表] 「種蒔く人」を支えた人2008

    • 著者名/発表者名
      高橋秀晴
    • 学会等名
      日本比較文学会2008年度東北大会
    • 発表場所
      あきた文学資料館
    • 年月日
      2008-11-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.akita-pu.ac.jp/stic/souran/scholar/detail.php?id=111

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi