三島由紀夫の手稿類(創作ノート、下書き原稿、ゲラへの書き込み、書簡など)を調査すると同時に、二葉亭四迷、宮沢賢治など三島以外の作家の手稿研究の従来の成果や問題点について検証した。そして、フランスの生成論について検討、哲学(解釈学)や美術史の議論も取り込んで、より望ましい手稿研究の方法論を探った。 これを踏まえ、三島の代表作「金閣寺」や遺作四部作「豊饒の海」の創作ノートを研究し、後者に関しては、創作ノートで検討されていたが、その後大きく変更された第四巻の当初の構想を発展させ、「幻の第四巻」を仮構した。
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