研究課題/領域番号 |
20520179
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
佐伯 孝弘 清泉女子大学, 文学部, 教授 (40255956)
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研究分担者 |
篠原 進 青山学院大学, 文学部, 教授 (80133271)
長谷川 正江 (倉員 正江) 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70307817)
杉本 和寛 東京芸術大学, 音楽部, 教授 (40282545)
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キーワード | 浮世草子 / 近世怪異小説 / 江島其磧 / 井原西鶴 / 『今川一睡記』 / 八文字屋本 / 矢数俳諧 / 実録 |
研究概要 |
以下の作業を行った。 (1)雑誌の編集作業浮世草子研究会と西鶴研究会が母胎となって平成18年に創刊した研究雑誌『西鶴と浮世草子研究』(年刊誌、全5冊)の5号<芸能特集>の編集責任(共編)に倉員が当たり、平成23年6月に笠間書院より刊行した。 (2)西鶴・浮世草子研究文献目録作成前に受けた科学研究費で行っていた作業を継続し、文献の現物調査、及び作成リストの増補作業を行った。平成8~14年分(纏め役は篠原)を『西鶴と浮世草子研究』5号(平成23年6月刊)に掲載。また、佐伯・杉本は、「西鶴と浮世草子最新文献ガイド〔平成20・21年版〕」(要約文付き。共編)を作成した(『西鶴と浮世草子研究』5号に掲載)。 (3)作品の注釈浮世草子研究会の例会を8回行い、昨年度に続けて、上田秋成の浮世草子『諸道聴耳世間猿』の注釈作業を行った。 (4)浮世草子の作品論・作家論や、他ジャンルとの関連の考察佐伯怪異物浮世草子と笑いの関係、篠原は西鶴の浮世草子の創作手法と俳諧活動、長谷川は浮世草子と実録・実事件との関係について、後掲の如く発表した。 (5)『浮世草子事典』の編集作業全浮世草子500作余りを網羅する『浮世草子事典』刊行へ向け準備。発行元が笠間書院に決まり、西鶴研究会にも協力を求めつつ、項目の選定、解題の書式(記述雛形)作成、執筆分担の決定等を行った。 (6)浮世草子作品の翻刻翻刻作品を月尋堂作『儻偶用心記』に決定し、原本所蔵元(天理図書館)より翻刻許可を取り、本文の整備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最も大きな理由は、上記(1)の雑誌『西鶴と浮世草子研究』(全5巻)が2・3号以降刊行が大きく送れ、完結が当初の予定より2年以上遅れてしまったこと。その皺寄せで、(2)の目録作成作業にも遅れが出ている。作業に協力してもらっている浮世草子研究会の若手メンバーの出入りが激しく作業に不慣れなことや、(2)が終了しないうちに(5)の『浮世草子事典』の作業が始まったしまったことも、時間のやりくりがかなりきつくなり、影響している。
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今後の研究の推進方策 |
(2)の『西鶴・浮世草子研究文献目録』作成は、増補並びに(索引のための)文献よりのキーワード抽出の作業を、何とか今年度中にやり終え、今年度末には公刊できる形にするつもりである。そのために、4つに分けている作業グループを越えて協力し合える体制を、夏休み前に急ぎ整える予定。 (6)の『儻偶用心記』注釈については、浮世草子研究会例会において、旧註の整備・再検討作業を進めるべく、平成24年度の例会のスケジュールを立て直した。これも研究年度採取年度である平成24年度末迄に何とか公刊できる形を整えたいと考えている。
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