研究課題/領域番号 |
20520181
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊幸 中央大学, 文学部, 教授 (00216417)
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キーワード | 書籍価格 / 書籍流通 / 書籍目録 / 貸本屋 / 近世書籍文化 |
研究概要 |
1.書籍価格に関する基礎的データの整備 (1)書籍価格資料のデータ化 平成23年度は、『慶應二年丙寅秋八月改正高山氏蔵書目録』・『東壁堂蔵版目録』・『積玉圃蔵板目録』・『書画雑事記』等公刊されている資料について、アルバイトを使って入力したほか、新たに入手した購書資料である『蔵書譜』・『自適庵叢書価附』・『高野氏蔵書目』、また、請取書、引札日記等、架蔵のものと公的機関所蔵のものともども、価格記入のあるものについてデータ化した。 2.史料調査と資料収集・整理 (1)史料調査 小千谷市図書館・埼玉県立文書館・信州大学附属図書館・京都府総合資料館等で史料調査を行い、そこで得た収集資料を整理し、書籍価格に関わる記事をデータに付加した。 (2)書籍流通関係資料の収集・整理 『蔵書譜』・『自適庵叢書価附』・『高野氏蔵書目』、また書店の発行した書籍の請取書などを購入し、それらの翻刻・整理をおこなうとともに、関連資料の収集をおこなった。 3.研究成果の公開と研究者間における研究情報の共有化 (1)『書籍文化史』第13集の発行 第13集については6本の論考・資料紹介の投稿を得た。それに書籍研究文献目録の補遺を合わせて、206ページの冊子とし、2012年1月に発行した(600部作成)。また、それを研究者・研究機関に配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
書籍価格記事の備わる史料の調査・収集は順調であり、それらを含めてデータ入力も予定の7割以上は完了している。内容不明の書籍も多く、個別に分類を施す作業がやや難航している。 研究情報の共有化を目指した『書籍文化史』は予定通り発行を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
データの充実を図りつつ、完成度の高いデータベースを整備していく作業に力を入れていく。具体的には、分類項目を整序するなど、必要とする情報を引き出しやすい形式に整えていくとともに、視認しやすい出力形式についても工夫していく。 また、このデータベースを活用した研究論文を作成し、書籍の価格についての情報蓄積の意義について明確にする。
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