2012年度は、これまでの研究期間に蓄積した書籍の価格についてのデータの見直しを主に行った。すなわち、その遺漏を補うとともに、入力ミスをチェックしながら、各フィールドに分類を施し、検索の便の向上を図った。その上で、近世初期刊行の書籍目録類によるデータベースと、その他の資料によるデータベースの2種類を作成した。前者については、txt形式とcsv形式の2ファイル、後者については前者同様の2ファイルに加えて、分類によって整序た上で可読性を持たせた形式のファイルを作成し、これをpdf形式のファイルに収めた。これに、依拠資料の解題を加え、「近世日本における書籍の価格」と題したCDを作成、2013年1月、関連研究に従事する研究者を中心に広く配布した。なお、関連研究の進展を促すために、これらファイルは再配布を妨げないものとし、加工も自由とした。 また、逐次的に公開を継続してきた書籍文化史関連の文献目録の作成のために、文献収集を行い、『書籍文化史』第14集に、2012年度収集データを公開した。また、『増補改訂 近世書籍研究文献目録』(2007年、ぺりかん社)以後に収集したデータをすべてまとめ、同目録と同形式に出力したpdfを作成し、これを前記CDの中に収め、研究者の利用に供した。 書籍文化史に関連する研究者の情報共有のために、年刊発行を継続してきた情報誌『書籍文化史』を2013年1月に発行し、研究者・図書館等に広く配布した。当該年度の第14集は、前記文献目録(『増補改訂 近世書籍研究文献目録』補遺6)に加え、5本の投稿原稿をもって制作した。
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