研究課題/領域番号 |
20520189
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中本 大 立命館大学, 文学部, 教授 (70273555)
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研究分担者 |
黒木 祥子 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10107120)
山本 一 金沢大学, 学校教育系, 教授 (40158291)
二本松 泰子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 客員研究員 (30449532)
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キーワード | 鷹書類 / 鷹狩り / 諏訪流の鷹術 / 公家流の鷹術 / 鷹鶻方 |
研究概要 |
当該年度は本研究の活動基盤となる鷹書研究会の例会を、平成22年3月13日(土)、5月15日(土)、7月10日(土)、9月18日(土)、12月11日(土)、3月19日(土)の計6回開催した。また、毎年恒例の放鷹文化講演会を11月14日(日)(テーマ:宇都宮と鷹狩り、於:栃木県宇都宮市)と11月28日(日)(テーマ:家康公と鷹狩り、於:静岡県浜松市)の2回に渡って開催した。 その成果としては、まず、平成24年3月に三弥井書店から刊行予定の伝承文学全注釈叢書『立命館大学図書館西園寺文庫蔵鷹書類』の原稿作成に向けて注釈内容に関する細かな検討の進んだことが挙げられる。例えば、それぞれのテキスト本文を解釈するために必要な引用資料(用例)について、書物全体の整合性を図るために必要な作業を確認した。すなわち、公家流の鷹書類については『持明院家鷹秘書』一〇巻を中心とする持明院家のテキスト類、諏訪流の鷹書類については『啓蒙集』の各伝本を中心とする信州・禰津一族のテキスト類を統一的に引用することが決定した。その結果、テキストごとに属性が異なるものであったとしても、書物全体で一貫した注釈成果を提示する形式が整ったように思う。その他、注釈叢書に掲載する以外の鷹書類についても種々多様な調査が進んだ。たとえば、研究分担者の二本松泰子は、6月末に2泊3日で韓国調査に赴き、ソウル大学校中央図書館・同奎章閣、韓国国立中央図書館にそれぞれ所蔵されている『鷹鶻方』の各種伝本の調査を行った。その結果、『鷹鶻方』の伝本類には(1)韓国内でのみ流布したテキスト(2)日本に教養書として伝来したテキスト(3)日本に技術書として伝来したテキストの3種類に分類できることが判明し、日本の鷹書類との相対比較を通して日本における韓国放鷹文化の受容形態が明らかになった。 なお、当該年度の放鷹文化講演会に参加した人数は、宇都宮で800人、浜松で1,000人と盛会で、ケーブルTVなど地元のマスコミなども積極的に報道してくれた。本研究の成果を広く一般に広める機会としては充分な規模であったと思う。
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