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2008 年度 実績報告書

大阪の出版文化の研究-大阪著述家書目の作成-

研究課題

研究課題/領域番号 20520190
研究機関関西大学

研究代表者

浦西 和彦  関西大学, 文学部, 教授 (20067672)

研究分担者 増田 周子  関西大学, 文学部, 教授 (30294664)
キーワードプロレタリア文学 / 昭和文学 / 左翼思想 / 革命運動
研究概要

大阪の文人や著述家がどのような書目を出版したか、明治から現代までを対象として調査する本研究課題において、平成二十年度は、上司小剣、大宅壮一、武田麟太郎、小野十三郎、藤沢桓夫の五名の作家・詩人・評論家の書目を作成し、『浦西和彦著述と書誌第四巻』(平成二十一年一月二十日発行、和泉書院)に公表した。
上司小剣は、自然主義的写実小説「鱧の皮」で、大阪道頓堀のうなぎ屋「讃岐屋」を舞台に、情味豊かな筆致で大阪商家の情緒と結び合い、京阪の情話ものを書いた。
大宅壮一は、「駅弁大学」や「緑の待合」など戦後の時流をずばり言い表す新造語を次々とつくり、マスコミのあらゆるメディアで活躍した。マスコミの三冠王といわれた評論家である。
武田麟太郎は、大学時代セツルメントの仕事を通じて労働運動に参加した。出世作「暴力」「反逆の呂律」など発表し、新感覚派的手法とマルクス主義的思想による新鮮な作風を示した。戦争中、散文精神によるファシズムへの抵抗を示した。
小野十三郎は、アナキースト詩人として活躍し、短歌的抒情の否定で、鋭い批判精神を持つ詩人として、「大阪」「小野十三郎詩集」などを刊行した。藤沢桓夫は、新感覚派の影響を受け、その後プロレタリア文学運動に参加した。大正・昭和という時代や社会における文学・文化・思想を俯瞰する時、この書目はその研究の基盤となり、文学研究だけでなく、現代思想研究、文化研究においても必須のものとなっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 浦西和彦著述と書誌第四巻2009

    • 著者名/発表者名
      浦西和彦
    • 総ページ数
      622
    • 出版者
      和泉書院

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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