研究課題/領域番号 |
20520196
|
研究機関 | 長崎総合科学大学 |
研究代表者 |
横手 一彦 長崎総合科学大学, 共通教育センター, 教授 (60240199)
|
キーワード | 戦後文学 / 敗戦期文学 / GHQ/SCAP検閲 / プランゲ文庫 / 長崎文学 / 被占領下の文学 / 戦後文学成立期 / GHQ/SCAP関連資料 |
研究概要 |
今年度は、課題遂行四年目であり、申請時に作成した「研究計画・方法」に基づき、研究活動を継続することに努めた。しなしながら前年度末に、東日本大震災が発生した。これにより、社会的関心が原発事故や被災の影響等へと向かい、原稿等を依頼された。当該研究テーマに一部重複することでもあり、研究課題から対応する意味合いもあり、これらに応じた。このため、長崎の歴史性や地域性に関わる研究に比重が置かれ、前年度から引き継いだ研究項目を十分に為し得なかった部分があった。 以下、研究計画の立項順に従って記述する。A領域-2011年度は渡米調査を行わなかった。/B領域-A領域の調査に間接的に対応し、新規資料の探索と、国内文献の追確認調査を行った。そして、初年度から収集した在米資料の整理と分析に努め、その成果の一部を次年度に公表する準備を進めた。/C領域-長崎県や他地域の個人所蔵の関連資料を求めた。公的施設の未公開資料は、その予備調査を進めた。個人とは、個別的に機会を求め、その原典確認や資料提供の許諾を得ることに努めたが、乏しい成果に終わった。/D領域.国立国会図書館で関連資料の収集に努めた。/E領域-原典資料を日本側文献と対照し、分析した。/F領域-検閲制度の事例研究を進め、特異性を有する事例の書誌的整理を試みた。/G領域-長崎県立図書館所蔵資料等に、未確認資料の所在確定等を試みた。/H領域-C及びG領域に関連し、書誌的確認を行った。/I領域-調査による成果を得ることが出来なかつた。/J領域-この時期の史的項目を整理し、私的年譜に追記する作業を継続した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年3月11日に東日本大震災が発生した。このため急遽、年度末に予定し、事前調整を終えていた上京調査を中断し、課題の一部が次年度に持ち越しとなった。そして、大震災と原子力発電所事故への社会的関心の高まりがあり、これが当該研究テーマと一部重複することから寄稿などを求められた。これらの関わりから、渡米調査等による在外資料の発掘と整理分析よりも、長崎の被爆体験などの地域性に傾いた研究内容となった。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度が、当該研究課題の該最終年度である。上記の未達部分を踏まえ、また、これまでの渡米調査によって収集した資料を整理し、共有される文研資料として提示する。また、これまでの分析等を網羅的に提示することに努める。
|