研究課題/領域番号 |
20520197
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
細田 明宏 帝京大学, 文学部, 准教授 (20412801)
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研究分担者 |
後藤 静夫 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 教授 (50381926)
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (60330726)
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キーワード | 人形浄瑠璃 / 近代日本 / 文楽 / 演出 / 芸談 / 歌舞伎 |
研究概要 |
代表者、分担者の勤務地が離れているため、電子メール等を用いて意思の疎通を図り研究の方針を決めた。今年度は各自の調査・研究を進めるとともに、共同での作業も進めることとし、大阪で研究会を開催した。研究会においては、現行の文楽でどのような演出が行われているのかについて、実際の上演に関するプログラムやビデオを参照しながら検討した。また適宜、各自の調査・研究の中間報告も行われた。 各自の活動は次の通りである。代表者の細田は、明治期に新作された浄瑠璃『壺坂霊験記』に関して、それと関わりの深い歌舞伎について調査し論文を作成した。「歌舞伎『壺坂霊験記』における早替り-悪者雁九郎のゆくえ」(『演劇学論集』に掲載決定)と、「勝諺蔵の歌舞伎『西国三拾三所観音霊験記』-趣向と題材」(『帝京大学文学部紀要・日本文化学』に掲載)の2本である。さらに地方人形座において近年制作された新作浄瑠璃についても調査している。分担者の後藤は文楽公演に際し、技芸員に対して聞き取り調査を行った。また四国地方のS人形座からの要請に応じて演技指導に赴いたが、その際には指導と平行して、現地でどのような演出がなされているのかを調べた。分担者の澤井は、東京に出張して新聞・雑誌などの資料調査を行った。重点的に調査したのは東京の人形浄瑠璃についてである。人形浄瑠璃は大阪を中心として発展してきたことから、東京での活動はこれまであまり注目されておらずその実態もあまり明らかになっていないが、最近ようやくその重要性が認識されつつある。澤井は今後の研究の基礎となる資料集の整理を進めており、今年度はその中間報告を行った。
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