天草・島原の乱のうち、特に原城に籠った一揆を幕府軍が攻撃を行うに当たり、各藩が使者を送ってその状況を知り、藩で対処しようとする段階での、使者の報告を探るものである。使者には幕府からの上使も含む。この結果、島原の一揆が単なる九州の諸大名による地域的鎮圧=百姓一揆ではなく、広く全国的な諸大名の規模で展開された大きな事件で会ったことを指摘。次にこの島原の乱の使者を送りこんだ諸藩の状況を出来る限り探り、その作品について探し、また、その作品の文学的評価を加えようとするものである。同時に単なる戦争の見聞記ではない新しい作品ジャンル-使者文学-を提唱しようとするものでもある。
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