日本には250もの年号が存在し、とくに中世は頻繁に年号が改められた。改元は国家の大事であり、武家政権も重大な関心を示してしばしばこれに干渉した。しかし年号制定の手続きや、年号に関する当事者の意識については、これまで十分な整理が行われていなかった、そこで年号の選定に関する文献について、旧公家蔵書を中心として調査を実施し、新たな史料をいくつか見出した。さらに、こうした史料と分析を踏まえて、以下の研究を行った。 (1)年号改元文献の書誌調査 (2)中世の年号制定手続きと難陳から窺える歴史認識 (3)室町幕府将軍の年号制定への介入 (4)年号文字の反切と『韻鏡』の受容 (5)迎陽記諸本の研究と、史料纂集『迎陽記一』の校刊
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