研究概要 |
本年度は、Blakeと「東洋」に関する先行研究、BlakeとHayleyに関する先行研究を総括した上で、調査の出発点をHayleyの蔵書目録とした。Hayleyの蔵書については、彼の死後、1821年にその蔵書がSoutheby'sで競売にかけられた際に、R.H.Evansによって蔵書目録が作成され、この目録はA。N.LMunby,ed.,Sale Catalogues of Libraries of Eminent Persons,Volume2,Poetsand MenofLetters (London:Mansell and Sotheby,1971)に収録されている。BlakeがHayleyの屋敷を去ることを決断する1803年までに刊行されたインド関連の出版物のうち、この目録に掲載されている文献を選び出し、Blakeのテクストとの関係の有無を検討した。 これらのうちEighteenth Century Collection Onlineに収録されている文献は、東大付属図書館のオンラインを利用して研究室にいながらにして読むことができたが、Maurice's Ancient Hindostanのように未収録の文献もあり、これらについてはThe British Libraryで調査した。この過程において、William Hayley,Ballads Foundedon Anecdotes Relating to Animalsの材源研究を行い、その成果を平成21年度にBritish Association for Romantic Studies 2009 conferenceにおいて発表する予定である。 また、柳宗悦とともに日本民芸館設立趣意書に名を連ねた青山二郎の展覧会が開催されたので、「青山二郎の眼」展について論考を発表した。
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