21年度は、本研究の核となる部分を、おもに国際学会で発表した。ゴシック・モードを利用したアメリカ19世紀作家について研究発表を行い、論文を書いた。6月にエルサレムで開催された国際ハーマン・メルヴィル学会での研究発表にはじまり、9月には日本ポー学会全国大会での研究発表、10月にはアメリカのポー生誕200周年記念学会で研究発表を行った。その後、6月のメルヴィル学会での研究発表をもとにした論文を執筆した。完成は22年度になるが、アメリカ・メルヴィル学会の機関誌Leviathanに掲載される予定。日米のポー学会で発表した内容の一部を、東京外国語大学総合文化研究所の機関誌『総合文化研究』に、論文として発表した。コーネル大学での批評理論ヤミナーに参加し、実施計画に忠実に研究を推進するべく最大限の努力をしたが、国際的なインフルエンザの流行と大学での授業の予定などのため、結局参加断念せざるをえず、当初の計画を変更しなければならなかったことが残念である。コーネル大学でのセミナーの参加応募をし、選考も無事通過したのだが、昨年度のインフルエンザ流行の初期段階で、感染と帰国後の混乱が予想されたことや、学期中の参加が不可能であるとの大学執行部の判断によって、やむを得ず計画を断念した。これについて最終的には学長、学部長と話し合う努力もしたので、やむを得なかったはずである。そのかわりに、ゴシックについての資料収集を行った。
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