研究概要 |
本研究の目的は、コンピュータを利用し、『カンタベリー物語』について、2つの代表的な写本と2つの代表的な刊本を取り上げ、4つのテクストを対応させたコンコーダンスを作成し、チョーサーの言語研究及びtextual criticismに貢献することである。写本は、Hengwrt(以下、Hg)写本とEllesmere(以下、El)写本を、そして刊本は、Hgに依拠したBlake(1980)とElに依拠したBenson(1987)を取り上げた。 平成21年度においては、残りのコンコーダンスの作成について、2写本全ての包括的な交合コンコーダンス作業を終えた。Monk, Nun's Priest, Manciple, Man of Law, Second Nun, Physician, Pardoner, Shipman, Prioress, Sir Thopasの各話である。写本・刊本の交合結果(文字、語彙等の異同)の一部を2010年7月にイタリアSienaで開催される新チョーサー学会で口頭発表する(発表は2009年1月に既に受託されている)。 Stubbs(2000)のCD-ROM及び関連データに大きく依拠している。国際的連携の一環として行われた。Jimura, Nakao, Matsuo, Blake, and Stubbs (2002)、Nakao, et al. (2004)、 Nakao, et al. (2006)、平成19年度のThe Cook's Prologue and Tale, The Wife's Prologue and Tale, The Friar's Prologue and Tale, etc., Nakao, et al (2009)のコンコーダンス作成及び研究に続くものである。
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