研究概要 |
本年度は、研究代表者である鹿児島大学法文学部の大和高行が中心となり、シェイクスピアの『リチャード三世』の改作として知られる、コリー・シバー作『リチャード三世』の訳の推敲ならびに改題・注釈を付す作業を進めた。研究成果の公開については、鹿児島国際大学国際文化学部の小林潤司教授が関西シェイクスピア研究会例会(大阪学院大学)において「書評:Linda Woodbridge, English Revenge Drama : Money, Resistance, Equality (Cambridge UP,2010)」、大和が九州シェイクスピア研究会第160回例会(西南学院大学)において「王政復古期における『リチャード三世』の改作-英国歴史劇の変容-」、第37回スチュアート朝研究会(専修大学)において「Nicholas Rowe,The Tragedy of Jane Shoreを読む」の題目で口頭発表を行なった。更に、本研究グループ全員が日本英文学会九州支部第64回大会シンポジウム第1部門イギリス文学「WilliamShakespeare劇の材源と改作」において4年間にわたる研究の成果をそれぞれの視点から発表した。他方、印刷発表に関しては、鹿児島大学教育学部の丹羽佐紀准教授が論文「『ロミオとジュリエット』におけるロレンス修道士と薬屋の関係をめぐって-二人の役割の同質性とその宗教的背景-」を『英文学研究支部統合号』(日本英文学会)第4号に載せた。また、本研究グループによるコリー・シバー作『リチャード三世』と鹿児島国際大学経済学部の山下孝子准教授によるバーナード・ショウ作「『シンベリン』仕上げ直し」の翻訳ならびに本研究課題に関連する論考を収録した『平成20年度~23年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書』を印刷発表した。本研究グループが手がけた解説・注釈付き翻訳は、本邦初という点で、当該研究課題に関心を持つ研究者に有益な資料だといえる。
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