本研究は北アイルランドの文化、歴史、社会について、とくにアイルランドが南北に分断した 1921 年以降を中心として、広く、かつ深く研究し、北アイルランドの詩的想像力の諸相(文学作品やミューラル)を検証した。その主なる研究成果は『北アイルランドのミューラル』と北アイルランドないしアルスターを代表する詩人論(サミュエル・ファーガソン論とルイ・マクニース論)である。ほかに、プロテスタント地区とカトリック地区の境界であるインターフェイスを取り扱う論文も書き、北アイルランド紛争の現状についても考察した。北アイルランドに特化した本研究は、ポスト・植民地、ナショナリズム、少数派の問題などを抱える、世界中の他の紛争地域の研究にも貢献すると自負する
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