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2009 年度 実績報告書

19世紀末「アメリカ文化圏」の構築をめぐる研究、国際小説家サークルを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20520249
研究機関東洋大学

研究代表者

北原 妙子  東洋大学, 文学部, 准教授 (90315820)

キーワード米文学 / 米文学史 / F.マリオン・クロフォード / ロマンス / リアリズム / 超自然 / ソレント / イタリア
研究概要

本研究は、19世紀末、一連の交流があった英米の文化人たち、特に大西洋の両岸で活躍した人物たち(William Dean Howells, Henry James, F.Marion Crawford, Isabella Gardner, Ouida等)の残した文化的・文学的仕事に着目し、ひとつの「文化圏」が構築されていた模様を明らかにすることを目的とする。三ヵ年をかけて上記の国際小説家たちのサークルの相互影響から、どのような文化が生じたか、そしてそうした文化圏が形成された背景について考察する。特に筆者が発掘を手がけてきたクロフォード関連の伝記・業績を詳しく調査する。
第二年目の今年度は、「クロフォード作品の映像化」の問題について調査を進めた。クロフォードのロマンス小説は三作品が映像化され、その所在を探したところ、Mr.IsaacsとThe White Sisterのみプリント作品を実際に視聴できた。In the Palace of the Kingについては、プリントは現存していないようで、スチル写真や台本のみ入手できた。小説とその映画版を比較考察すると、映像の世紀が到来する以前からクロフォードが次世代の娯楽作品で求められる要因を的確に把握していたことがわかった。それはハリウッドという装置を通して、娯楽性のみを一段と純化させられるような要素であり、現代的なアレンジも可能なものだ。テクストの速い語りの展開や壮観さ、読者(視聴者)の心をつかむエキゾチックでメロドラマ的な要素が、初期のアメリカ映画製作者たちに独自の形で存分に生かされ映画化されている。サイレントとトーキー、二種類の版があるThe White Sisterの表象からクロフォード作品の語りの可能性や、イタリアを舞台とする「国際」小説でハリウッドが繰り返し着目したアメリカ的イデオロギーの問題について考察を進めている。なお、今年度開催されたクロフォードの没後100周年国際記念大会では、正式な招聘を受け、クロフォードの怪奇小説とその語りの技法について口頭報告を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] F・マリオン・クロフォード研究の現在―没後100周年国際記念大会に参加して―2010

    • 著者名/発表者名
      北原妙子
    • 雑誌名

      白山英米文学 35

      ページ: 55-69

  • [学会発表] F.Marion Crawford's Supernatural World : The Art of Narration2009

    • 著者名/発表者名
      Taeko Kitahara
    • 学会等名
      Francis Marion Crawford : Cento Anni Dopo
    • 発表場所
      Grand Hotel Cocumella, Sorrento
    • 年月日
      2009-05-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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