研究課題/領域番号 |
20520254
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 富久子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00063751)
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研究分担者 |
河原崎 やす子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)
平石 妙子 共立女子大学, 国際文化学部, 教授 (80060705)
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キーワード | アジア系アメリカ文学 / 基地 / 戦争 / 記憶 / 語り / 韓国系アメリカ文学 / フィリピン系アメリカ文学 / ベトナム系アメリカ文学 |
研究概要 |
初年度にあたる本年、小林、河原崎、平石はいずれもアジア系アメリカ「基地文学」に関する基礎的文献を収集し、かつ、関連地域を訪問することで、この分野に関わる総合的視座を得ることに努めた。 まず小林は、アジア内の米軍基地問題を人種、階級、ジェンダーの視点から考察するさまざまな文献を調査したが、特にいずれもコリア系研究者による、Beyond the Shadow of CamptownやSex Among Allies等から得ることが多かった。そこからの知見をもとに、3月15日から20日までの6日間、ソウルとホーチミン市の米軍基地ないしは跡地周辺を現地視察した。ソウルでは市の中心近くに位置する基地の町として知られるイテウォン地区を訪問。様々な米国の都市名がついた飲食店・雑貨店等が立ち並ぶ大通りを米兵士やその家族が行き交う様はさながら米国地方都市の通りを思わせ、未だ韓国における米軍の存在の大きさが伺われた。さらに、ホーチミン市においても、米軍自体は存在しないものの、戦争跡地博物館や旧米国大使館跡、及び、市民からの聞き取りなどから、やはり米軍の存在の跡が生々しいことを知りえた。 河原崎は、3月16日から26日まで米国ロサンゼルスに滞在、アジア系アメリカ研究関係の文献が最も豊富なUCLA図書館にて基地関連の資料を調べた。同様に平石も2月28日から3月9日までUCLAのリサーチ・ライブラリー及びアジア系アメリカ研究センターで主としてジェラルディング・クダカやハワイの基地に関する資料収集を行い、本研究プロジェクトの予備的作業を進めた。 以上の調査から、米軍基地といっても地域により相当な違いがあることから、それぞれに関わる文献調査はもとより、より細やかな現地調査の必要性を感じた次第である。
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