研究課題/領域番号 |
20520254
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 富久子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00063751)
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研究分担者 |
河原崎 やす子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)
平石 妙子 共立女子大学, 国際文化学部, 教授 (80060705)
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キーワード | アジア系アメリカ文学 / 基地 / 戦争 / 記憶 / 語り / 韓国系アメリカ文学 / フィリピン系アメリカ文学 / ベトナム系アメリカ文学 |
研究概要 |
2年目にあたる本年度も代表者及び共同研究者の3人は、アジア・アメリカ各地に赴き、現地調査と並んで基地文学関連の作家や批評家へのインタヴューを試みた。 代表者の小林は、2009年8月10日-13日に沖縄の宜野湾市に滞在。同地で基地周辺の混血児に関する調査を行っている日系研究者のAkemi Johnson氏にインタヴューした。次いで10月11日には山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加、韓国の米軍墓地売春婦に関する記録映画を見、監督から話も聞いた。さらに2010年2月12-13日にはハワイのホノルルに赴き、韓国系作家Nora Okja Keller氏にインタヴュー。次いで14-17日にはカリフォルニア大バークレー校でベトナム系のTrinh Minh-ha、韓国系のElain Kim両教授から貴重な情報や洞察を得た。 共同研究者の平石は、Velina Hasu HoustonやJon Shirotaを中心に日系作家による「基地文学」の検討を行った。また、8月30日から9月9日までカリフォルニア大学ロサンゼルス校のリサーチ・ライブラリーおよびアジア系アメリカ研究センターにおいて資料収集・調査などを行い、その成果の一部として、Houstonについての論文を発表した。 河原崎は2002年2月28日から3月8日まで米国ロサンゼルスにて資料収集および対面調査を行った。UCLA准教授でフィリピン系を中心に広汎なアメリカ帝国主義を文学面から研究しているVictor Bascara教授にインタヴューし、アメリカの軍事基地の太平洋における帝国主義的進展が現在アジア系アメリカ研究の最前線であり、その意味で基地文学という概念設定と研究の意義を確認した。 なお、本年7月には3人が中心となり、基地文学に関するシンポジウムを開催する予定で、鋭意そのための討議を続けている。
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