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2009 年度 実績報告書

イギリス・カナダ・日本における英語小説の商品化と「文学性」の創出に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520255
研究機関早稲田大学

研究代表者

藤本 陽子  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00238619)

キーワード文学性 / グローバル化 / カナダ / 翻訳
研究概要

<2009年度の三つの課題>
1.移民作家がカナダの作家として受容・評価される際、作家個人や作品のいかなる面が要因としてはたらくか。所属先の複数性や暖昧さと文学性の間に関係はあるか。
2.日本における現代カナダ小説の翻訳と出版:その商品化を特徴づける戦略とはなにか。
3.イギリスでポストコロニアル研究の延長上に浮上した文学論を調査する。
<研究の進捗状況>
課題1については、個人および作品の無国籍性が商品価値とみなされる傾向を確認した。その一方で、「カナダ性」の希求も続いている。
故郷を問題にする多くの作品でカナダは、思想的立場や精神活動を保障する環境として、暗示的に言及されている。その意味で、政治活動や社会科学の方法とは異なる文学の存在意義に関する思索とカナダに関する作家たちの模索が軌を一にする場合がある。
課題2は、昨年度からのプロジェクトを継承し、小説の消費にみられるグローバルな側面と日本独自の事情を英語論文にまとめた。Smaro Kamboureli編の論文集(題名未定)Wilfred Laurier University Pressより2010年刊行予定。
課題3は、2010年3月に行ったロンドンおよびレディングでの調査をもとに、資料の読み込みと取材を続けている。課題1でふれた文学性の再定義・評価、あるいは人文学への回帰ともいえる現象が、イギリスでは、マス・リーディングなどによる読者共同体の構築とともに、教育・研究の場でも一つの明確な流れを作り出しつつあることが確認された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ホーム・アンド・アウェイ-移民作家にとっての故郷とは2010

    • 著者名/発表者名
      藤本陽子
    • 雑誌名

      北海道カナダ協会会報めいぷる 第79号

      ページ: 28-34

  • [学会発表] ホーム・アンド・アウェイ-移民作家にとっての故郷とは2009

    • 著者名/発表者名
      藤本陽子
    • 学会等名
      北海道カナダ協会・日本カナダ学会北海道支部主催「カナダ・スクール」
    • 発表場所
      北海道立道民活動センタービル
    • 年月日
      2009-09-24
  • [学会発表] Shani Mootoo の小説における不在としてのカナダ2009

    • 著者名/発表者名
      藤本陽子
    • 学会等名
      第27回日本カナダ文学会年次研究大会
    • 発表場所
      拓殖大学文京キャンパス
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] オンダーチェのスリランカ表象と知の探求2009

    • 著者名/発表者名
      藤本陽子
    • 学会等名
      オンダーチェ・シンポジウム「すべてはコラージュ」
    • 発表場所
      カナダ大使館
    • 年月日
      2009-06-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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