(1)研究テーマ「ホーソーン文学における歴史と詩学の位相--独立期アメリカの精神と文化の表象を読む」に従って二つの論文を発表した。その内訳は(1)2007年度日本アメリカ文学会関西支部シンポジウム(司会・講師)を発展させた編著『独立の時代--アメリカ古典文学は語る』(2009)で「【ある鐘の伝記】を読むーーホーソーンにおける歴史と詩学の交錯」を執筆。(2)2008年度の日本ヴィクトリア朝文化研究学会特別講演(招待)の原稿を元に「ホーソーンの<みた>二つのイングランドーー蔦を巡る瞑想」『メディアと文学が表象するアメリカ』(2009)を執筆した。 (2)資料収集 (1)国内における資料収集--最近進んでいる古い出版物の復刻やウェッブ上の資料、他大学からの借り入れにより、ジョージ・ワシントンの著作集、北アメリカ英仏戦争、独立戦争関係の書物、辞典類などを入手した。 (2)海外における資料収集--ホーソーンの『英国ノート』に描写される古戦場や軍人の記述を現地で実際に確認し、資料を入手した。9月19~27日にカナダに出張し、北アメリカ英仏戦争の古戦場を訪れ、現地の地勢、川、高原、町、建物、要塞、記念碑の様子を見聞し、教会、博物館等で文献資料を収集した。また2010年2月25~3月6日にイギリスに出張し、北ウェールズやイングランド東部を訪れ、教会や古城で現地調査と文献収集を行った。現地ならではの知識を得た。 (3)関西大学英文学会2008年度大会でのシンポジウム「英米文学と戦争」を発展させるべく『英米文学と戦争』出版を企画、原稿募集、査読の上、2010年度予算を申請し受理された。
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