(1)本研究はホーソーンの文学テクストに現れた、独立戦争を中心として形成された広義の独立期アメリカの精神と文化の表象を、従来の表象研究をさらに進展させた視点-新歴史主義的史学と詩学の手法を融合させる視点-で読み、ホーソーン研究にあらたな批評方法<新しい詩学>を構築することを目的とする総合的研究である。 (2)本研究は批評の昨今の動きとも連動する。我が国の内外におびただしいイデオロギー批評を生み出した文学研究での新歴史主義の旗手たちは、ミレニアムを機に古典や美の価値、文学の伝統、作者の復活を主張して、行き過ぎた新歴史主義に歯止めをかけた。本研究はこの新たな方向へとホーソーン研究を活性化する一つの企てである。
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