研究課題
本研究の原資料は、Yale University, Sterling Memorial Library所蔵のSamuel Wells Williams Family Papersである。もともとの28箱に3箱追加され、31箱で構成されている。近年の中国研究で評価の高まりを見せてきているところから、陶徳民(関西大学)、顧鈞(北京外国語大学)は現地調査を実施している。いずれも数週間の滞在期間のため、直接的な筆写やデジカメコピー制作にとどまっていた。本研究でのマイクロフィルム化は、初めての本格的な取り組みになり、国際的な貢献度は大きい。相手方にとっても絶好のチャンスを意味し、交渉に手間取ってしまった。相手方の要望を受け入れた結果生じた研究計画上の遅れは、独自の工夫によって回復に努め、本年度計画分の判読と活字化をほぼ達成できた。エール大学側の意向としては、原28箱分と追加3箱分の資料群を相互に比較した上で、日記の執筆日付・差出人・受取人を統合整理し、今回制作するマスタープリント上では年代的に一貫した完全版を作っておきたいということであった。それに、SWWのみの資料に絞りたいとする私の拘りが、同じ理由で受け入れられなかった。5月の交渉開始から初回の製作費27万円の送金は11月になった。研究目標の達成に向けて、ハーバードに留学中の顧鈞に依頼して、エール大学に赴き、デジカメ資料を作成してもらった。一方で夏期休暇中に北京で40日滞在する間に、顧鈞の帰国を待ち、デジカメ資料の提供を受けて一緒に判読作業を進めた。同時に北京の米国文化センターに通い、外交文書マイクロフィルムを使い、北京外交部時代のSWW自筆書簡を洗い出した。ようやく3月9日から18日迄の渡米では、エール大学で直接に原資料にあたる機会を得て、マイクロフィルムの他に、デジカメ資料3千枚を撮影して持ち帰った。研究成果の中間発表については、訳書の刊行、2回の国際学会発表、未刊分を含む4本の論文にまとめ、精力的に努力した初年度である。
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International Conference on Americans, Macau and China, 1784-1950. University of Macau. Conference Papers(予定)
ページ: 120-125
埼玉女子短期大学紀要 Vol. 20
ページ: 11-31