研究課題
平成21年度は、文学と絵画の関係をめぐる基本的な資料体をリストアップし、フランス及び欧米で刊行されたモノグラフィーや論文集、ならびに19世紀、20世紀絵画に関する美術書を幅広く入手し始めた。こうした基礎資料の収集と平行して、文学と絵画の関係という視点からあまり研究されてこなかった作品、また最近発表された新しい作品に関する考察を重点的に行った。本研究が対象とする19-20世紀の枠組みを浮き彫りにするために、19世紀に関しては中地、畑が担当し、20世紀に関しては、シモン=及川がそれぞれの関心に応じて担当し、様々な形(発表、論文、書物など)で研究成果を発表した。特にシモン=及川が2009年8月にフランスに滞在し、日仏詩について発表や、22年度のシンポジウムの打ち合わせなどを行う上で、ベルナール・ノエル(詩人)と画家の関係について調査し、その結果の一部を論文にまとめた。22年度にも彼の作品を中心した研究を進めることにした。学際的な性格を持つ本研究においては、文学研究の専門家だけでなく、美術やメディア史の専門家とも積極的に意見を交換することが不可欠である。それゆえ多元的な視点を基盤とする下記の二つの講演会を主催した。(いずれもするイブ・ペレ(パリ、サント・ジュヌヴィエーヴ図書館館長)による講演会で、文学部法文1号館3階315教室において、使用言語フランス語、通訳なし)で行われた。・2009年12月3日「書物における言葉と絵の出会い」2009年12月4日「アンリ・ミショー、エクリチュールと絵画の間」この講演は、平成20年度の講演会と同じように、仏文の学生(学部生を含む)が多く参加し、他の大学からの聴講者も見られた。この講演会の関連で早稲田大学でもイブ・ペレの朗読会が行われ、両大学のテキストとイメージの専門家の交流を深めた。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
仏語仏文学研究 第39号
ページ: 25-44
勉誠通信 18号
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日本の文字文化を探る-日仏の視点から(勉誠出版)
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Le Vers libre dans tous ses etats. Histoire et poetique d'une forme(1886-1914)(L'Harmattan)
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Rimbaud, l'invisible et l'inoui. Poesies, Une saison en enfer(1869-1873)(Presses Universitaires de France)
ページ: 120-140
Rimbaud.Des Poesies a la Saison(Classiques Garnier)
ページ: 245-263
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/futsubun/