研究課題/領域番号 |
20520278
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
マリアンヌ シモン 及川 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (70447457)
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研究分担者 |
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
畑 浩一郎 聖心女子大学, 文学部, 講師 (20514574)
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キーワード | 文学 / 絵画 / 描写 / 芸術家小説 / 表象芸術 |
研究概要 |
平成22年度は、文学と絵画の関係をめぐる基本的な資料をリストアップし、フランスおよび欧米で刊行されたモノグラフィーや論文集を幅広く入手し始めた。それと並行して、文学と絵画の関係という観点から省みられることの少なかった作品、および近年発表された現代の文学作品に関する考察を重点的に行った。本研究が対象とする19-20世紀の枠組みを浮き彫りにするために、19世紀に関しては中地、畑が、20世紀に関してはシモン=及川が、それぞれの関心に応じて担当し、様々な形(口頭発表、論文、書物など)で研究成果を挙げた。特にシモン=及川は、2010年8月ソウルの中央大学校と延世大学校の両大学において講演を行った。 学際的な性格を持つ本研究においては、文学研究の専門家のみならず、美術やメディア史の専門家とも積極的に意見を交換することが必要である。そのために、多元的な視点を包含する「絵を語る-19-21世紀のフランスにおける文学を中心に」と題するシンポジウムを、2010年11月27日に開催した。講演者は以下の通りである。 寺田寅彦(東京大学准教授):「自然主義作家が見せるもの」 塚本昌則(東京大学教授):「デッサンの度合い-ポール・ヴァレリーの夢の詩学」 フロランス・ジュモラ(パリ第7大学准教授):「見えるものと見えざるもの夢の向こうに」 マリアンヌ・シモン=及川(東京大学准教授):「画家の背中を見て-ベルナール・ノエルの『Roman d'un regard』を中心に」 アルメール・ルクレール(青山学院大学准教授):「クリストフ・ラミオ=エノスの詩における視覚的な装置」 アンヌ・マリー・クリスタン(パリ第7大学名誉教授):「見るもの、読むもの」 このシンポジウムには、平成20、21年度の講演会と同様に、学部生を含む仏文科の学生が数多く参加し、他の大学からの聴講者も見られた。なおこのシンポジウムの発表内容をまとめた論文集を平成23年の秋に水声社より出版する予定である。
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