本研究は、その重要性が広く認識されていながらいまだ十分に研究のなされていない、いわゆる「ロシア・ルネサンス」期の思想を、「生の哲学」という観点から問題史的に検討しようとするものである。ニーチェ、ベルクソン、プラグマティズムといった生の哲学に分類される西欧哲学を、ヴャチェスラフ・イワーノフ、ロースキー、ブルガーコフ、ベルジャーエフといった、ロシアのルネサンス期の思想家がどのように受容したのか、その過程を明らかにする。 これまでの三年間でイワーノフ、ロースキー、ブルガーコフの研究を行った。残りの二年間で、ブルガーコフ研究の成果を公表するとともに、ベルジャーエフの研究およびその成果の報告を行い、時間に余裕があれば、ブルガーコフの経済哲学を本研究の観点から検討の対象にし、ブルガーコフ研究をさらに深めることにしたい。
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