研究課題
2010年度は、9月17日、18日に開催されたシンポジウム『東アジアにおける亡命1933-1945』の開催準備をし、口頭発表を論集として出版する準備を進めた。シンポジウムはGoethe-Institut in TokyoおよびDAAD(ドイツ学術交流会)、オーストリア大使館(オーストリア文化フォーラム)との共催のもと、17日はGoethe-Institut in Tokyoを会場、18日は学習院大学を会場として開催した。ドイツ、オーストリア、アメリカ、上海から亡命研究者16名が発表者として参加し、同時通訳をつけて発表が行なわれた。シンポジウム開催まで、毎月、研究会を行い、議論や意見交換、プログラムの準備を進めた。シンポジウムでは、当時の日本国内で、ドイツによるユダヤ人迫害や亡命者に対してどのような理解がされていたのか、日本がどのような役割を負っていたのか、文学、歴史、哲学、音楽学など異なる分野から研究報告が行なわれ、文化人類学、異文化交流の視点からの議論を通し、今までの亡命研究には欠けていた側面が提示された。報告者はKarl Lowith、Kurt Bauchwitz、Kurt Singerのテキストに見られるハイブリッド性を分析した。シンポジウム準備と平行し、行政面での背景を知る上で欠かせない資料、アジア歴史資料センター(JACAR)保管の"ユダヤ人問題外交文書"(14巻)のリストの独語翻訳、必要箇所の独語版資料作成を継続した。シンポジウム後は、基調講演者Wolfgang Benz氏の協力のもと、論集の出版準備を行い、ベルリンの出版社Berliner Metropol-VerlagからタイトルをFlucht und Rettung. Exil im japanischen Herrschaftsbereich(1933-1945)(Thomas Pekar編)として出版することを決定した。
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Ubersetzung-Transfromation. Umformungsprozesse in/von Texten, Medien, Kulturen(Hiroshi Yamamoto/Christine Ivanovic(編))
ページ: 151-161
http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20012491/index.html