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2009 年度 実績報告書

共和国の思想と文学-他者との出会い

研究課題

研究課題/領域番号 20520303
研究機関上智大学

研究代表者

水林 章  上智大学, 外国語学部, 教授 (80183630)

キーワード共和国 / 教育 / 学校 / 個人 / 自律 / 市民 / ルソー / 人権宣言
研究概要

平成20年度の研究実績報告書で触れたとおり,今年度も引き続きダニエル・ペナックの『学校の悲しみ』の翻訳作業をおこなった.本書は,かつての劣等生の立場とかつてのフランス語教師の立場の両方に立脚しながら,しかも現在の小説家としての考察も交えながら,フランス共和国の学校と教育について綴った自伝と小説とエッセイの三つのジャンルが渾然一体となった作品である.共和国の主題と共鳴する文学テクストの引用も数多く含まれるポリフォニックな作品であり,そうたやすく日本語に移し換えることのできるものではなかったが,著者と緊密な連絡をとりながら,9月半ばには翻訳原稿をほぼ完成させることができた.その後,こまかな校正作業をおこない,11月にはみすず書房から刊行の運びとなった.巻末には,「あとがきにかえて-ダニエル・ペナックとの出会い」という,この種の翻訳書としては異例に長い文章を発表した.
また,日本語翻訳完成後,著者ダニエル・ペナック氏から『学校の悲しみ』出版後,イタリアのウルビーノで「ヨーロッパ研究所出版翻訳賞」を受けることになったとの知らせが入り,同時にその受賞記念スピーチが送られてきた.みすず書房編集部の要望で,このスピーチ全文も翻訳することになり,その作業もおこなった.本年1月のことである.
『学校の悲しみ』関係以外では,引き続き,ヴォルテール,ルソーとの対話を続行した.また,現代フランスの学校でおこったある日常的な出来事をもとに,その出来事を「読む」ことが,どのように共和国の思想とその文学的表現としてのいくつかの古典的文献の再読につながるか,という問題にも取り組んだ.この点の研究も来年度に向けて文章化したいと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 『学校の悲しみ』(翻訳)2009

    • 著者名/発表者名
      ダニエル・ペナック
    • 総ページ数
      361
    • 出版者
      みすず書房

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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