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2010 年度 実績報告書

西欧中世文化を捉え直し今日的意義を呈示するーフランス現代思想に基づきながら

研究課題

研究課題/領域番号 20520304
研究機関法政大学

研究代表者

酒井 健  法政大学, 文学部, 教授 (70205706)

キーワードフランス現代思想 / フランス中世 / バタイユ / サン・スヴェールの黙示録 / 『ドキュマン』 / フーコー / 近代性批判 / 脱実証主義
研究概要

1.本年度の研究目的=昨年度から引き続きフランス中世の文化をフランス現代思想の担い手たち、とりわけジョルジュ・バタイユ(1897-1962)とミシェル・フーコー(1926-1984)の関連テクストに拠りながら捉え直すことを目的とした。今年度はまずバタイユからフーコーへ思想が継承されたことを近代的理性への根源的な批判意識という点に絞って省察し、論文にまとめた。続いてバタイユの脱近代的な中世文化理解を雑誌『ドキュマン』所収の初期の論文「サン・スヴェールの黙示録」(1929年)に注目して考察した。2.研究の実施=具体的には、前者のバタイユからフーコーへの思想の継承については法政大学の通信教育用テクスト『社会思想史』の第5章にまとめた。近代性を再度強める第2次世界大戦後の哲学教育と一般の思潮に反発して若きフーコーが先人バタイユの思想を発見していく経緯を論じた。後者のバタイユの中世観に関しては、フランスの研究組織「中世の現代性」によってスイスのローザンヌ大学で開催された第6回国際シンポジウム「学者と文学」において口頭発表を行った。その題名は、Le sens de l'erudition chez Georges Bataille-autour de son interpretation de l'Apocalypse de Saint-Severである。内容としては、バタイユが文献資料中心の当時の近代的中世研究に抗って、文字になりえない中世人の情動の美学を掘り起こそうとした試みを精査した。3.研究の成果=活字となった成果としては、(1)「フランス現代思想-バタイユからフーコーへ」(『社会思想史』法政大学通信教育テクスト、第5章)、(2)上記のスイスでの学会発表を日本語に訳し、加筆改稿した論文「『サン・スヴェールの黙示録』とジョルジュ・バタイユ-非-知の哲学者における中世研究の意義について」(法政大学紀要『言語と文化』第8号、2011年1月)があげられる。なお仏語文による口頭発表は上記シンポジウムの論文集に収録される予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『サン・スヴェールの黙示録』とジョルジュ・バタイユ-非-知の哲学者における中世研究の意義について2011

    • 著者名/発表者名
      酒井健
    • 雑誌名

      言語と文化(法政大学言語・文化センター紀要)

      巻: 第8号 ページ: 1-28

  • [学会発表] Le sens de l'erudition chez Georges Bataille-autour de son interpretation de l'Apocalypse de Saint-Sever2010

    • 著者名/発表者名
      酒井健
    • 学会等名
      "Le savant dans les lettres", Vle colloque international des 《Modernites medievales》
    • 発表場所
      スイス、ローザンヌ大学
    • 年月日
      2010-10-22
  • [図書] 社会思想史(内、第6部第5章を担当)2011

    • 著者名/発表者名
      酒井健(共著)
    • 総ページ数
      434
    • 出版者
      法政大学

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公開日: 2012-07-19  

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