ローマ最大の哲学者キケローにつき、すでに私は彼のギリシア哲学の理解そしてそのローマ化、修辞答理論書の数々、元老院での政治活動は十分研究して著作に著してきた。本研究はローマの法律にも十分通じ、正義につき作品も残しているキケローの裁判弁説を彼の法理論と実際の裁判活動から考察する。ローマで最もテオリア(理論)性において秀でていたキケローは、その一方で政治と裁判におけるプラクシス(実践活動)性にも、驚嘆すべき情熱を示した。プラクシスとテオリアの統合こそキケローの真の偉大さである。これを明らかにする。中心としてキケローの裁判弁説作品を研究する。
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