本研究の主要な目的は、(1)中国古典文学が外国文学として過去の日本において、どのように研究されてきたのか。その日本的な特色と、中国・朝鮮半島の研究との関連について具体的に調査すること。(2)東アジア共通の文学として所謂「漢文」の、中国文学的側面と日本の文学としての特色と独自性を解明することである。その目的の達成の為に、江戸時代の詩話と江戸期の「漢文」著作を、主な資料として取り上げる。但し、この時期の著作は、テキストとしての整備が不十分であるので、校勘等の基礎的作業を本研究の重要な柱として位置付ける。なお江戸時代を考察の主要な対象としたのは、奈良朝末期から平安時代とともにこの時代が、日本における中国文学受容の典型となると考えたためである。
|