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2008 年度 実績報告書

国家変容と言語問題のモデル的研究:ハンガリー語のケース

研究課題

研究課題/領域番号 20520326
研究機関大阪大学

研究代表者

岡本 真理  大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10283839)

キーワード近代ハンガリー / ハンガリー文学 / ハンガリー語 / 民衆文学 / ナショナリズム
研究概要

本研究のテーマである国民国家形成期の近代ハンガリーにおける言語の問題について,その研究方法に関して試行錯誤を重ね,その結果,近代を通して民族言語問題の主たる担い手であり続けた詩人たちの活動と作品により大きな重点をおくことで,国家による言語政策というマクロの視点では捉えきれない,より綿密かつ動的な近代社会の心象風景としての言語問題にアプローチするよう試みた。
今年度は,啓蒙期(18世紀末〜19世紀初頭)ハンガリーのナショナリズムの生成と,改革期(1830年〜1848年)の言語問題について,この時代に成熟していった民衆文学に焦点を当てて検証した。啓蒙期にはじまった民族叙事詩の探究と民衆文学への関心が,やがて改革期にはさまざまな作品に結実し,ハンガリー文学の主流となっていく中で,その頂点ともいえるペテーフィとアラニュが「国民文学」の性格付けに決定的な役割を果たした。しかしながら,その2詩人による長編叙事詩にみられる「生粋の」ハンガリー人の英雄像は,かなり性格を異にするものであった。そして,各々の英雄像は,19世紀後半から20世紀初頭にかけての国家の変容の中で,文学史においてさまざまな異なった評価をうけることになっていった。
民謡や口承伝承文学,その中で農民のことばの再発見と再評価が,文学を通したハンガリーの近代言語運動の重要な核であることを検証した。
今年度は,以上の研究結果を論文にまとめ,公表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 生粋のハンガリー人像を追及して--ペテーフィの『勇者ヤーノシュ』とアラニュの『トルディ』を比較する2009

    • 著者名/発表者名
      岡本真理
    • 雑誌名

      大阪大学世界言語研究センター論集 1

      ページ: 141-154

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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