• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

豊子暝に関する比較文学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520333
研究機関熊本大学

研究代表者

西槙 偉  熊本大学, 文学部, 准教授 (50305512)

研究分担者 呉 衛峰  東北公益文科大学, 公益学部, 准教授 (90458159)
キーワード豊子〓 / 夏目漱石 / 小品文 / 日中比較文学 / 李叔同 / 師弟関係 / 近代文学と仏教
研究概要

1.本年度は豊子〓初期文学作品における夏目漱石の影響を跡付け、西槇偉は以下の論稿を発表した。まず、豊子〓の処女作というべき「法味」(1926)は漱石「初秋の一日」を踏まえながら、『門』の宗助参禅のくだりをも参照したのではないかということを、「門前の彷徨-豊子〓「法味」と漱石「初秋の一日」および『門』」西槇偉ほか編『漱石と世界文学』思文閣出版、2009.3、3-32頁で論証した。それから、豊の初期小品「憶児時」(1927)と『硝子戸の中』、「華膽的日記」(同年)と「柿」との関連については、それぞれ「響き合うテキスト(四)幼時体験の光と影-豊子〓「憶児時」と漱石『硝子戸の中』」国際日本文化研究センター紀要『日本研究』第39集、2009.3、65-84頁、そして「心の隔たり-豊子〓「華瞻的日記」と夏目漱石「柿」」日本比較文学会編『比較文学』第51巻、2009.3、93-105頁において検証し、豊の初期小品には漱石の影響が顕著であることを明らかにした。
2.研究協力者大野公賀は、博士学位請求論文「中華民国期の豊子〓-新たなる市民倫理としての「生活の芸術」論」を東京大学に提出した(2009.3.6)。そこで、豊子〓自身の思想変遷を概観し、上海開明書店と立達学園という二つの組織の接点、それぞれの成立、運営、構成員の思想傾向などをも分析した。
3.西槇偉は研究分担者呉衛峰、研究協力者林素幸とともに、2008年夏豊子〓旧蔵書を調査し、書目索引を作成し、解説文「縁縁堂蔵書について」(西槇)をつけ、付録「縁縁堂蔵書目録」(西槇・呉・林共編)もあわせて『文学部論叢』熊本大学文学部紀要、第100号、2009.3、261-276頁に掲載した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 響き合うテキスト(四)幼時体験の光と影-豊子〓「憶児時」と漱石『硝子戸の中』2009

    • 著者名/発表者名
      西槇 偉
    • 雑誌名

      国際日本文化研究センター紀要『日本研究』 第39集

      ページ: 65-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心の隔たり-豊子〓「華瞻的日記」と夏目漱石「柿」2009

    • 著者名/発表者名
      西槇 偉
    • 雑誌名

      日本比較文学会編『比較文学』 第51巻

      ページ: 93-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 豊子〓の「縁縁堂蔵書」について2009

    • 著者名/発表者名
      西槇 偉
    • 雑誌名

      熊本大学文学部紀要『文学部論叢』 第100号

      ページ: 261-271

  • [学会発表] 幼時体験の光と影-豊子〓「憶児時」と漱石『硝子戸の中』2008

    • 著者名/発表者名
      西槇 偉
    • 学会等名
      第五回熊本大学・ 21世紀文学部フォーラム
    • 発表場所
      放送大学熊本学習センター第一講義室
    • 年月日
      2008-12-13
  • [学会発表] 心の隔たり-豊子〓「華瞻的日記」と夏目漱石「柿」2008

    • 著者名/発表者名
      西槇 偉
    • 学会等名
      日本比較文学会第70回全国大会
    • 発表場所
      大妻女子大学多摩キャンパス
    • 年月日
      2008-06-22
  • [図書] 漱石と世界文学2009

    • 著者名/発表者名
      西槇偉
    • 総ページ数
      3-32
    • 出版者
      思文閣出版

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi