本研究で文学性を探ることを目的とした18・19世紀の日本の漢詩文作家で世にあまり知られていない7名(頼春水・春風・杏平・亨翁・山陽、齋藤拙堂、眞龍院)の内、初年度はまず頼春水の漢詩に表れた「孤独感」を論文にまとめた。第2年度には頼春水の弟である頼杏坪の「老」・「閑」に対する意識を、また春水の息子の頼山陽の作品中の「狂」字の用い方と自意識とを論文にまとめた。第3年度には加賀前田家藩主夫人である眞龍院の旅日記中の漢詩を分析して論考にまとめた。他の3名も含め、引き続きこの7名と中国の文人との比較を検討中である。
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