研究概要 |
当該研究は、2003年7月に第1回の会合を開き、ほぼ1ヶ月に1回、研究会を開催してきた。一昨年度は、それまでの成果を整理し、問題点を剔抉し、その解決に向けて研究体制を確立した。対象作品の役割分担を明確にして、研究会で発表し、それに対して、活発な議論を戦わせ、有意義に取り組むことができた。 具体的には、上記の研究者および研究代表者の恩師、竹田晃東大名誉教授の指導の下、13名の研究協力者(院生・非常勤講師など)が、柳宗元の古文(説・伝・文)を2~3篇担当し、昨年度は各篇の訓読と解釈を中心に原稿を作成し、研究会で問題点を再検討した。 また同時に、表記上の取り決め(字体・形式・引用の仕方など)を一層細部に亘って話し合い、全員の合意の元にマニュアルを作成し、上梓に向けて、着実な第二段階を踏むことができた。すでに検討済みの作品は、以下の諸篇である。 「〓説」「鶻説」「祀朝日説」「天説」「乗桴説」(以上『柳宗元集』中華書局、巻16所収)「乞巧文」「弔屈原文」「弔楽毅文」「愬〓文」「憎王孫文」「宥蝮蛇文」「弔萇弘文」(以上、巻18,19所収) また出版に向けて、新たに5篇を追加することに決め、来秋の上梓に向けて、さらに充実した内容を目指す。 以上の如く、平成21年度の成果としては、上梓に向けての具体的原稿の再検討とそれに則った内容的深化といえよう。22年度は、この成果を踏まえて、一層真摯に取り組む所存である。
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