当研究課題では、動詞、(準)助動詞、副詞、連結辞、(メタ)比較など、さまざまなカテゴリーにまたがるモダリティの研究を、一貫した視点にもとづいて進めることで、モダリティが、どのような理路を介してさまざまな言語事象にあらわれるにいたっているのか、そしてそれらの事象相互はどのような関係にあるのかを見さだめることを目標としたい。主たる対象はフランス語、日本語とするが、スペイン語、イタリア語、ボルトガル語などのロマンス諸語に視野をひろげ、他言語との対照のなかからこそ明らかになる知見も積極的に拾いあげてゆくことにする。 この中間評価の対象となる各年度別の計画は、つぎのようになっていた。 研究の初年度にあたる平成20年度には、モダリティの各領域における具体的な研究対象となる諸表現のデータ収集、ならびに整理を行なうとともに、テストケースとしての事例研究をも開始し、全般にわたる基礎づけを行なう。 平成21年度、平成22年度は平成20年度に蓄積した基礎的データ、および試行的研究の成果をふまえて、他のすべての領域へと研究の範囲をひろげ、広範な事例研究を積みかさねてゆく。 各年度とも、各領域の専門家とともに研究会をひらき、それぞれの領域に固有の問題点やそれに対する見解をうかがい、議論するとともに、平成21年度以降はみずからも国内外の学会、研究会などで積極的に成果を発表することとする。
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