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2010 年度 実績報告書

〈距離〉を軸としたモダリティーとポライトネスの包括的語用論

研究課題

研究課題/領域番号 20520362
研究機関麗澤大学

研究代表者

滝浦 真人  麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90248998)

キーワード言語学 / ポライトネス / 語用論 / モダリティー / 日韓対照言語学
研究概要

研究期間の最終年度に当たる今年度は、これまで2カ年に渡る研究活動を通じて得られたいくつかの論点について、集中的に研究を行なった。
まず第一に、言語による表現とは命題とモダリティーの合一にあるとの観点から、日本語においてポライトネスの代表的表現手段である敬語のモダリティー性について、理論的な側面からの考察を行なった。この問題は、言語における主観性の表現という一般的な問題と連続しており、ひいては、主観性の表現が相対的に大きな比重を占める日本語文法のあり方を考えることにもつながっていた。
第二に、ポライトネスのコミュニケーションという機能的側面を、表現の媒体となる言語形式の側から改めて検討した。「走れ」「しろ」のような“はだかの命令形”に着目し、その多様な意味機能と核にある基本義との関係を検討した結果、ポライトネスが、同一の言語形式によって表現しうる話し手にとっての表現意図の1つであることが再確認できた。
第三に、近代から現代にかけての日本社会の変容との関わりで、日本語におけるポライトネスの変遷を跡付ける作業に着手した。また、外国語
(特に韓国語) との対照も合わせて考察することで、ポライトネスの観点から日本語コミュニケーションの来し方と行く末を描くことができると考えている。
以上のような研究の成果を、11.研究発表の項に掲げる2本の学術論文と3回の招待講演において発表したほか、下の2回の招待講演においても発表することができた。
滝浦真人「文法をつくるという営み一山田文法とは何だったか?一」 東北大学文学部・文学研究科国語学研究室特別講演, 2010.5.22, 東北大学
滝浦真人「対人関係の距離感を表現する一日韓対照語用論のために一」 韓国外国語大学大学院日語日文学科,2010.6,4, 韓国外国語大学(韓国・ソウル市)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ポライトネスと語用論-"はだかの命令形"の考察から-2010

    • 著者名/発表者名
      滝浦真人
    • 雑誌名

      日本語研究の12章(上野善道編、明治書院)

      ページ: 181-195

    • 査読あり
  • [学会発表] 新しい葡萄酒と新しい革袋を:人間関係の変容と日本語の新しいポライトネスの形2010

    • 著者名/発表者名
      滝浦真人
    • 学会等名
      国際学会「日本-21世紀の新挑戦-」基調講演
    • 発表場所
      アダム・ミツキェヴィッチ大学(ポーランド・ポズナニ)(招待講演)
    • 年月日
      2010-11-25
  • [学会発表] ポライトネスから見た敬語、敬語から見たポライトネス2010

    • 著者名/発表者名
      滝浦真人
    • 学会等名
      待遇コミュニケーション学会第13回大会
    • 発表場所
      早稲田大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-10-30
  • [学会発表] 対人コミュニケーションから見る日本語の将来-"敬"か"親"か-2010

    • 著者名/発表者名
      滝浦真人
    • 学会等名
      日本学術会議主催公開講演会「日本語の将来」(金水敏・滝浦真人・荻野綱男・木部暢子・鳥飼玖美子)
    • 発表場所
      日本学術会議講堂(招待講演)
    • 年月日
      2010-09-19

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公開日: 2012-07-19  

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