研究課題
研究目的:本研究の目的は、メディアや、公的機関等のデイスコースに未だに(特に無意識に)観察されることのあるジェンダーバイアスを批判的談話分析(CDA)の視点等を用い、系統的、且つ詳細に調査、明らかにし、この結果を広く社会に還元し、人々の意識改革と、真の意味での男女共同参画の推進に寄与することである。H21年度は特にジェンダー意識が異なる、3か国の情報提供者による同一新聞広告の受け止め方を中心に調査、意議改革の方法模索への足がかりとすることを目的とした。研究方法及び経過:H21年度は主として、以下のデータ収集・分析及び理論的背景の構築と、第一段階での研究結果の発表を実施。1)引き続き日英メディア、特に新聞各紙におけるジェンダーバイアスを含むデイスコースの収集、分析。新聞広告のテクスト分析については国際語用論学会で発表。2)ジェンダーバイアスのある新聞広告の受け止め方の調査インタビューを更にスウェーデンで実施、英国、日本でも追加調査、現在詳細分析中。日英インタビュー結果を米国応用言語学会で発表。3)オレルボ大学イリー教授との意見交換、打ち合わせの実施。オックスフォード大学キャメロン教授、ロンドン大学レナード教授などと今後の協力可能性などに関しての連絡調整実施。研究成果:新聞広告を基にしたテクスト分析結果の発表(国際詰用論学会H21年7月)と日英インタビュー分析結果の発表(米国応用言語学会H22年3月)を行い、現在、新たに収集したスウェーデンと日英の新データを分析中である。日本と、英国・スウェーデンの情報提供者の間に顕著な意識の違いが観察され、これは各国のジェンダー施策と教育の影響を反映していると推測され、日本での男女共同参画を射程においた意識改革の具体的方策へと繋げる為に、H22年度は各国のジェンダー教育の実態についても調査を深める予定である。
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『言語・文化・教育の融合を目指して:国際的、学際的研究の視座から』(生井健一・深田嘉昭編著)開拓社
ページ: 132-147
In Murata, K.and J.Jenkins(eds)Global Englishes in Asian Contexts Current and Future Debates. London : Palgrave Macmillan
ページ: 1-13