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2009 年度 実績報告書

中国黒龍江省におけるモンゴル族コミュニティーの言語接触と言語変容

研究課題

研究課題/領域番号 20520369
研究機関東北大学

研究代表者

包 聯群  東北大学, 東北アジア研究センター, 教育研究支援者 (40455861)

研究分担者 栗林 均  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
キーワード言語学 / 言語接触 / 言語変異 / モンゴル族 / コミュニテイー / 肇源県 / 言語意識 / 言語使用
研究概要

(1)今回の調査では、肇源県において、語彙リスト(基本語彙200程度:20人;一般語彙2,000程度;1人)のインタビュー調査とモンゴル語の文法事項(不変化詞を含む文100)のインタビュー調査(20人)を実施した。その結果、基本語彙にも中国語の借用語がかなり含まれ、言語の変容が起きていることがわかった。地域、年齢、職業によってある程度の差がみられた。文法事項において、不変化詞の多くは中国語からの借用語であることもわかった。それに、若年層は母語であるモンゴル語を忘れ、学校で学んだ簡単な語句しかできなくなっていることもある程度明らかになった。
(2)肇源県における一万四千人を超えるモンゴル族に関する資料収集を行った。同時に、家庭、関係行政機関を訪問し、学校のモンゴル語の授業参加も行い、町や村での実際の言語使用状況を考察し、モンゴル族を取り囲む教育的、社会的要因を考察した。その結果、子供の多くはモンゴル語ができなくなり、言語の消失が迅速に進んでいる実態が明らかになってきた。
(3)肇源県のモンゴル族中学校・高校のモンゴル族生徒や言語調査の被調査者を対象とした言語使用や言語意識に関するインタビュー、アンケート調査も行った(120人程度)。肇源県におけるキンゴル族が集中的に居住する三つのモンゴル族郷を中心に、言語現状についての観察や調査を実施した。こちらのモンゴル語の消失状況がドルブットモンゴル族自治県や泰来県よりも迅速に進んでいる実態が浮き彫りになった。
(4)また、肇源県と泰来県に居住する二つの家族を中心に、語彙や文法事項に関するインタビュー調査を行い、被験者兄弟5人のうち、町に移住した者、および親子のうち、子供が町に移住後、その言語も変わってくることがわかった。この研究成果を12月に台湾で開催された国際学会にて口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 日本の社会言語学2010

    • 著者名/発表者名
      包聯群
    • 雑誌名

      中国言語計画 1(創刊号)(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 中国黒龍江省肇源県におけるモンゴル語教育、言語使用や言語意識等に関する調査報告2009

    • 著者名/発表者名
      包聯群
    • 学会等名
      Conference on "'Word-meaning' (Tze-yi) and Hermeneutics"
    • 発表場所
      台湾の台北大学
    • 年月日
      2009-12-20
  • [学会発表] モンゴル語に対する中国語の影響―都市部への移住による言語維持や言語変異―中国黒龍江省のモンゴル族を事例として2009

    • 著者名/発表者名
      包聯群
    • 学会等名
      Asia University 3^<rd> International Conference on "'Globalization' and Chinese Narrations"
    • 発表場所
      台湾のアジア大学
    • 年月日
      2009-12-17
  • [学会発表] 黒龍江省におけるモンゴル族の言語変容2009

    • 著者名/発表者名
      包聯群
    • 学会等名
      モンゴル研究会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2009-11-20
  • [学会発表] Dorbed Mongolian Community Language (DMCL)-A case of mixed languages(ドルブットモンゴル族コミュニティー言語-混合言語のケース)2009

    • 著者名/発表者名
      包聯群
    • 学会等名
      国際バイリンガル学会
    • 発表場所
      オランダのユトレヒト大学
    • 年月日
      2009-07-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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