研究課題
平成22年には、主に富裕県とチチハル市およびその近郊、ハルビン市内とその近郊等を調査の対象とした。(1)富裕県には現時点で2千人以上のモンゴル人が居住し、主に大泉村、小泉村に集中している。調査によって、ほとんどの人はモンゴル語ができず、学校側もモンゴル語教育を実行しておらず、年配者のみモンゴル語と中国語の混合言語を話していることがわかった。(2)チチハル市およびその近郊等に5千人程度のモンゴル人が居住している。チチハル市民族中学校・高校は黒龍江省の各地域から生徒を募集しているが、モンゴル人生徒のすべてがモンゴル語を学んでいないことがわかった。近郊の高頭村には500人近くのモンゴル人が居住しているが、年配の方以外はモンゴル語ができなくなっている。こちらの言語は他の地域と異なり、ダグル語、中国語などの言語と接触があり、自らの特徴を持つことがわかった。(3)ハルビン市内やその近郊等を調査した。ハルビン市内においては、ハルビン職業学院のモンゴル言語文学専攻において、モンゴル人教師や生徒について、アンケート調査を実施し、言語使用状況や言語意識を明らかにすることができた。そして、その近郊にあるモンゴル人居住地において、モンゴル人の言語使用状況を調べた。また、近郊にある和平牧場の五家子村を訪問し、モンゴル語の使用状況を確認できた。以上の地域のモンゴル族コミュニティーについての調査を通じて、これらの地域における言語の特徴、および言語の消失が迅速に進んでいる実態を明らかにし、全体像を解明することができた。
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『中国言語計画』(中国教育部・中国言語戦略研究センター編集)
巻: 創刊号(商務印書館発行予定。掲載確定) ページ: 169-178
『社会言語学実験教程』(徐大明主編),北京大学出版社。
ページ: 106-111
ページ: 176-203
『われら地球市民』(渥美国際交流奨学財団編集、(株)ジャパンブック出版
ページ: 96-106
『中国言語計画』(印刷準備、掲載確定)
巻: 第2期 ページ: A415枚