• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ソグド語と古代チュルク語の言語接触に関する包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520382
研究機関京都大学

研究代表者

吉田 豊  京都大学, 文学研究科, 教授 (30191620)

キーワード歴史言語学 / 言語接触 / イラン語 / チュルク語 / シルクロード / ソグド語 / ウイグル語
研究概要

本研究は,ソグド語と古代のチュルク語との言語接触の全貌を,我々に残されている資料が許す限り包括的に明らかにすることを目的としてきた.この目的のもとに,言語接触が最も如実に表れるマニ教ソグド語資料のうち,未研究のものを全点調査し文字転写を作成した.これは未発表であるが300頁ほどに及ぶ.また10~11世紀において,古代チュルク語とソグド語のバイリンガルの話者が書いた特異なソグド語について,一般言語学の知見を援用し言語学的な分析を加え論文として発表していたが,この論文を発表した後にも新たに同種の資料が発見され,その文書(手紙と帳簿)を世界に先駆け研究し発表することができた.チュルク語の強い影響を示すこの種の特異なソグド語の嚆矢が,9世紀初めのカラバルガスン碑文であることを示したのは筆者であるが,この間には歴史学的に見ても重要なこの碑文のソグド語テキストの全面的な改訂版を作成し,特に重要な知見を論文として発表した.これまで言及したものは主に古代チュルク語からソグド語への影響であるが,ソグド語から古代チュルク語への影響として,ウイグル語(古代チュルク語の重要な方言)文献に見られるソグド語からの借用語をあつめて整理した.ウイグル語文献は現在までに発表されたものだけでも膨大で,網羅的に収集することはできないが,相当数の借用語を集めることができた.ただまだ発表できる段階に至っていない.これらの主に言語学的な研究とは別に,言語接触が発生した歴史的な背景を明らかにするために,ソグド民族の歴史を包括的に検討したが,その成果としてソグド人の歴史と文化に関する本を出版していた.この年度ではその副産物として,本来横書きのソグド文字が縦書きされるようになった時代や経緯について研究発表を行った,

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Review of Personal names in Sogdian texts2012

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yoshida
    • 雑誌名

      Bulletin of the Asia Institute

      巻: 21 ページ: 201-206

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 仏教ソグド語断片研究(II)2011

    • 著者名/発表者名
      吉田豊
    • 雑誌名

      西南アジア研究

      巻: no.75 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Some new readings in the Sogdian version of Karabalgasun Inscription2011

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yoshida
    • 雑誌名

      From Otuken to Istanbul

      巻: 1 ページ: 77-86

    • 査読あり
  • [学会発表] Picture version of Mani's Book of the Giants2012

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yoshida
    • 学会等名
      222nd American Oriental Society
    • 発表場所
      ボストン(アメリカ)(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi