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2008 年度 実績報告書

在日外国人児童生徒(フィリピン語母語話者)の母語能力測定基準・評価法の研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 20520385
研究機関大阪大学

研究代表者

大上 正直  大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (30233034)

キーワード言語学 / 社会言語学 / 母語保持 / 継承語 / バイリンガル教育
研究概要

本年度の研究実績の概要:(1)フィリピン語母語話者(年少者)のための母語能力測定基準(案)の策定。(2)上記(1)の基準に準拠した評価法(テスト)の作成および当該テストの妥当性・有効性等を検証するための実験をフィリピンの小学校で実施。
具体的な研究成果
1.母語能力測定基準の策定:まず,フィリピン文部省指定の基礎教育課程(初等教育:フィリピン語)を参考にしつつ,認知・学習言語能力との相関が強いとされる「読む・書く」技能に関し,6つのレベルからなる母語能力測定基準(フィリピン語版および日本語版)を策定した。レベルごとに「内容」と「語彙・文法」という二つの項目に分け,記述の内容は,児童・生徒でも自己のレベル評価を気軽に行えるように,より簡潔・平易なものにした。
2.テストの作成:次に,フィリピン人教育関係者の協力を得て,上記1.の測定基準に準拠するテストを作成した。とりあえず,対象は偶数年(2年,4年および6年)のみとした。テストの内容は,(1)語彙(定義)(2)文法(3)論理力(4)認知力(5)読解力の5項目から構成されている。
3.作成済みテストの妥当性・有効性の検証:さらに,上記2.の作成済みテストが来年度以降日本で使用するツールとして妥当かつ有効なものか否かを検証すべく,マニラの標準的なレベルの2つの小学校を訪問し,両校の偶数年の児童・生徒に対しテスト(実験)を実施した。結果として,2年生のテストが,問題の趣旨をきちんと理解していないか,未習事項が含まれていたため,両校とも平均点が低かった。この点は反省し,今後は,かかる問題の提出を取りやめるか修正する方針である。
4.フィリピンにルーツを持つ児童が在籍する大阪府下の小学校訪問:なお,来年度計画実施の前段として,フィリピン人研究協力者とともに,フィリピンにルーツを持つ児童・生徒が在籍する大阪府下の小学校を訪問し,授業の模様や母語支援の現場を視察した。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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