研究課題/領域番号 |
20520387
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
堤 良一 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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研究分担者 |
岡崎 友子 就実大学, 人文科学部, 准教授 (10379216)
松丸 真大 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30379218)
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キーワード | 現場指示 / ソノ / 方言差 / 関西地域の若者 / 中四国地域の若者 |
研究概要 |
平成23年度の研究活動 5月に大阪大学で、6月に滋賀大学で会議を行い、8月に滋賀大学で現場指示の調査を行うこと、また昨年度に岡山大学および就実大学で行った調査をふまえ、調査方法の問題点などを話し合い、改善点を検討した。 上記会議で検討したことに基づき、松丸真大准教授(共同研究者)と堤良一准教授(研究代表者)が8月10日に、滋賀大学教育学部において被験者20名を集めた現場指示の調査を行った。また、この結果についての報告を、9月7日に就実大学(岡山市)で発表している。本調査の目的は、現場指示の指示詞において方言の使用が確認できるか否かを調べるためである。すでに前年度に岡山市内で採取したデータがあるので、中国地方の若者と関西地方(特に京滋地域)の若者との指示詞における用法の違いが観察できる。 結果としては、関西地域の若者は、岡山市内の若者に比してソノの使用率が高いことが観察された。先行研究などで言われている実態に近いのは関西地域の若者で、岡山市内(および中四国地方)の若者の使用の特異性が際だつものとなった。なお、中四国においてソノの使用率が低いことは、堤良一が11月に岡山大学で行った新たな調査でも確認されており、その際には兵庫県西部の話者との比較においても同様の結果が示唆されている。現在公刊に向けて準備中である。 以上のように、これまで注目されていなかった現場指示の指示詞における方言差については、少なくともソノの使用についてその存在が示唆されるところであるが、今後さらなる精緻化を経て、その全容の解明に努めたい。
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