研究課題/領域番号 |
20520394
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
船津 誠也 県立広島大学, 学術情報センター, 助教 (30275383)
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研究分担者 |
林 良子 神戸大学, 国際文化学部, 准教授 (20347785)
今泉 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
藤本 雅子 国立国語研究所, 研究開発部門, 非常勤研究員 (30392541)
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キーワード | 母音無声化 / 異音 / 識別力 / 嗜好性 / 関東地方 / 中国地方 / 刺激呈示間隔 / 知覚と生成 |
研究概要 |
平成20年度は予備的検討として、知覚の面から日本語母語話者の無声母音-非無声母音識別力、および嗜好性について検討を行なった。日本語母語話者に対して、「母音が無声化しているか」あるいは「子音間に母音が存在するか」等の課題を行なうことは意味がないと考えられたので、同一話者が発話した無声母音vs.非無声母音ペアを被験者に呈示し、「どちらの発音が自分にとって好ましい発音であるか」を回答する嗜好性テストを行なった、無声-非無声母音の識別ができればどちらかに回答が偏り、そうでなければ回答は偏らないので、無声-非無声母音識別力をもつ被験者は回答が偏る。関東地方出身の大学生41名、中国地方出身の大学生34名を対象に嗜好性テストを行なった。被験者は2音節語の語頭音節の母音が無声化した単語および無声化していない単語のペアを聞き、「2つのうちどちらの発音が自分にとって好ましい発音であるか」を回答した。単語の発話者は、男女各1名とした。回答に70%以上の偏りが見られた被験者を無声-非無声母音識別が可能な被験者としたところ、関東地方出身の被験者の46.3%、中国地方出身の被験者の41.2%が識別可能であった。関東地方出身の被験者は、無声母音を嗜好し、中国地方出身の被験者は非無声母音を有意に嗜好しており、この結果は生成における傾向と対応していた。しかしながら、識別可能被験者の割合は当初予想していた値よりかなり低かった。この原因の一つとして刺激呈示間隔(1秒間隔で呈示)が考えられたので、平成21年度には刺激呈示間隔を変化させ、識別力の評価を行なう予定である。
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